父の誕生日

家族の誕生日の数字って特別感がある。

 

父が居ない3回目の819だ。

そんなに月日が流れたのか…

 

父の最後の誕生日のとき、何をあげようかと悩んだ。ケーキを買っても父はあまり食べない。過去、カバンや帽子なんかをあげたこともあった。とても喜んでくれて、ちゃんと使ってくれていた。

 

晩年の父は終活だ、と言って断捨離をしていたのであまり大袈裟なものをあげるのも迷惑かな、なんて思った。

これって…父にはもう物は要らないって、先は長くないってどこかで考えていたのかなぁ…

 

その代わり、ではないがこの頃は壊れた父の長年の愛用品の修理をした。靴を何足か、止まった時計など。父はにこにこと喜んでくれた。

「これでまた気持ちよく使えるな!」

 

で。誕生日には100均で買ったナンプレの本をあげたんだ。新聞に載っているナンプレをよくやっていたから。頭の体操だそうだ。

 

案の定父は

「もうなにも要らんよ」

と言ってきたので

「いや、100円だしかさ張らないし。オメデトさん!」

といったやり取りをした。

 

つまらないものを渡したけれど、それはそれでよかったのかな、と思っている。

 

今年はわたしは休みを取って家でゴロゴロしながら父を思い出す。

誕生日オメデトさん。